今年還暦を迎えたらしい小田さんは、その年には決して見えなくて、歌声もまた澄み切った美しいものでした。
小田さんは、毎年ゲストのアーティストと一緒に曲を作られてきましたが、今年はさだまさしさんとの共同作業でした。
さだまさしさんが詩を書き、小田さんが作曲をするというものでした。
二人はデビュー当時から親交があったらしく、お互いの歌に対する思い入れには絶対の信頼をおいているように見えました。
小田さんは、「まず、きっかけだけでも二人で決めよう」と提案すると、さだまさしさんは、「デビュー当時の自分たちに手紙を書いてみるのはどうでしょう。」と言いました。
今の自分から過去の自分にメッセージを、そして、今の自分から未来の自分へメッセージを送るというものでした。
一部分を紹介します。
話したいことが幾つもある あの頃の僕に会えたら
たとえば迷いながら選んだ道の 辿り着く場所について
伝えたいことは他にもある あの頃の僕に会えたら
たとえば 信じていたことの正しさと
その過ちについて
それから不安を胸に映し 怯えたあの夜の闇も
たとえば ありもしない夢に紛れて逃げたことも
あの頃の僕に告げたいのは
ひたすら そこから ひたすら 歩き続けること
あの頃の歩幅でいいから
ひたすら ただ ひたすら 生きてゆくこと
未来の自分へのメッセージがこの後続いています。
素晴らしい詩だと思いました。
諦めたり投げ出したりせず、ひたむきに自分の人生を歩いていくようにエールを送っています。
この最強の二人が一緒に歌を作れば、最高傑作が作れることを立証できた作品だと思いました。
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