平家物語の冒頭の一節に「沙羅双樹の花」が登場します。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
この沙羅双樹の花が咲いていました。
朝に咲いて夕方に散ってしまうところが、諸行無常を感じさせるのだと言います。
沙羅双樹は、別名ナツツバキとも言い、ツバキ科です。
以前、ツバキとサザンカの違いを調べた時、ツバキは花ごとポトリと散り、サザンカは花びらが舞い散るのだと知りました。
ツバキ科の沙羅双樹もまた花びらが散るのではなく,花全体がそのままポトリと落ちるようです。このあたりのはかなさが盛者必衰の理をあらわしていると作者は考えたのですね。
そういう目でこの花を見ると、健気に精一杯今を生きているように思えてきます。
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