2007年3月8日木曜日

味覚の変化

亡くなった実家の父は、煮魚が好きでした。

母が煮魚をお皿に盛りつけると、決まったように煮汁でネギを煮るように言っていました。

イカ、カレイはもちろんどんな魚の時もネギをさっと煮て食べたがるのです。

子どもの頃は、母の手を煩わせる父のそんな要求を腹立だしく思ったりしていました。

せっかく席に着こうとしていた母が、また台所に立ってネギを鍋に入れ始めるのです。しかも、出来上がったネギは、子どもの私にはそれ程までに美味しく感じられなかったように記憶しています。

ところが、人の味覚は変わるものですね。

最近、魚と一緒にネギを煮てみたところ、けっこう美味しく夫や娘たちにも好評だったのです。

煮魚と肩を並べるくらいに美味しく食べられました。

書いているうちにもう一つ食べたくなった食材を思い出しました。

北陸では「こんか鰯」「こんか鰊」といいますが、鰯や鰊の糠漬けです。

北陸の長い冬を乗り切る保存食の1つで、糠に漬けられた魚はとても辛く、子ども向けの食材とはいえません。

子どもの頃は、しょちゅう食卓に上ったのですが、ただ辛いばかりでした。ところが、年とともに、もう一度食べてみたいという思いが強くなっています。

北陸地方も昔ほど雪が降らないので、あんなに辛い保存食は必要ではないのかしら。

今でも普通に売っているのか、気になります。

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