2007年4月23日月曜日

貞子さん

二女の結婚式終了後、私たち夫婦、実家の母、弟夫婦は同ホテルに泊まりました。

ツイン2室、シングル1室を予約してありました。

年老いた母を一人にするのは可哀相だからと夫がシングルの部屋に行ってくれました。

私と母は疲れていたのに、結婚式、披露宴の余韻に浸っていました。お互いの感想や娘たちの思い出話に花をさかせていました。

結婚式の話から、お互いの名前の話に移っていきました。


少し前、郵便局に行った時に、身分証明をするために免許証の提示を求められました。

提示すると、私が書いた名前と免許証の字が違っていました。

免許証は旧字で書かれています。

私も知ってはいたのですが、ずっと当用漢字のその字を書いていました。

ところが最近の個人情報の取り扱いは非常に厳密に行われています。

訂正を求められ、通帳も早急に正しい名前で作り直すように言われました。

これから先の人生で、書き慣れない旧字の名前を書くのにやや抵抗がありました。

「いっそ改名したらどうなのかな」などと考えてみたものの、名前を付けてくれた両親に対して申し訳なく思います。

その話をし始めたら、何と母も同じことを考えていたのです。

母は「貞子」と書いて「ていこ」と読むらしいのです。

ところが私たちは子どものころから、母の名前は「さだこ」と教えられてきました。

そのあたりの事情を母は話し始めました。

何でも近所だか同じクラスだかに「貞子」という名前の子どもが3人いて、「ていこ」「さだこ」と紛らわしく呼ばれているうちに、自分の名前が「さだこ」に定着していったと言うのです。
なにぶん大昔のことだから真偽のほどはわかりません。

母は次にこう言いました。

「いっそ『さだこ』にかえようかしら。」と。

私はすぐに反対しました。勝手に呼び名を変えているのはまだ愛嬌ですが、親の付けてくれた名前を変えるのはどうも賛成できません。

それにしても、77才になってもそんなことを考えているなんて恐るべし母でした。

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