数年前に実家の母を連れて下呂温泉に行ったことがあります。
わが家の娘たち、妹と姪と実家の母と私で女ばかりの6人旅でした。実家の父が亡くなった翌年から開始しました。夫に先立たれた母を少しでも楽しませてやりたくて企画しました。
その年は「近場でのんびり」がテーマでした。下呂温泉には水明館というりっぱな温泉旅館がありますが、若い娘や姪も一緒なので「紗々羅」という女性好みのアンティークなお宿に泊まることにしました。「紗々羅」は客室もこだわりがあって、娘たちの部屋は「2人のバラード」というモダンな部屋でした。
当日は雨模様で下呂の街を散策するのも難しく、お宿でゆっくりしようということになりました。美味しい食事の後、旅館内のカラオケルームを見つけた娘たちからせがまれて、みんなでカラオケに行くことになりました。母は疲れたのでパスしましたが、妹は初めてのカラオケに興味津々でした。
妹はどちらかと言えば、おとなしく控えめな性格なので、わが家の娘たちや自分の子どもの歌声に合わせて口ずさみながら楽しんでいました。娘たちに「おばちゃんもどう?」と勧められると、村下孝蔵さんの「初恋」をリクエストしました。
妹は「みんなも一緒に歌ってね。」と言い置いてマイクを握りました。
私は村下さんの歌はあまりよく知らなかったのですが、とてもいい歌でした。寂しい夜に一人で聴いていると泣きたくなるような歌だと思います。なによりも日本語の歌詞が美しいのです。じっくり詩を味わいながら聴く歌だと思います。
妹にもこの歌のような切ない初恋の思い出があったのでしょう。
私の初カラオケの「思い出の九十九里浜 」と同様に妹の初カラオケの「初恋」も忘れられない歌です。
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