2008年10月26日日曜日

明日への遺言

週末DVDを2本観ました。

映画「アース」と「明日への遺言」です。



この作品の冒頭に第二次世界大戦のドキュメンタリー映像が流されるのですが、その時点でこれまで戦争について深く考えてこなかった自分に後ろめたさを感じました。

空襲のシーンや亡くなった人たちの映像は、それほどまでに衝撃的でした。

両親や祖母は戦争を体験していたのですが、その悲惨さを語って聞かせるにはあまりにも辛く、思い出したくなかったのでしょうか、子どもの頃に戦争の話を聞いた記憶がありません。

教科書や本、テレビや映画などで何となく分かっていたような気分になっていました。

話は第二次世界大戦終了後の法廷の場面となります。

藤田まこと扮する東海軍司令官岡田資中将が米軍の名古屋空襲の際にパラシュートで降りてきた搭乗員を捕虜として扱わずに処刑したことで殺人の罪に問われています。

岡田中将だけではなく部下19人もまた殺人罪に問われているのですが、検事、弁護人、岡田中将のやりとりはみているこちらも息をひそめてしまいます。

勝者米国に対して、1人の誇り高い日本人が自分の信念のもとに法廷で戦っている姿は、同じ日本人として誇らしく感じました。

繰り返された法廷での争いの中で、いつしか好意的になりつつあった裁判官が、その処刑を法で認められた「報復」であると証言すれば罪は軽くなると暗示してくれたのに「報復」ではなく「処罰」であったと正当性を主張し、結果、有罪になり死刑宣告となります。

一切の責任を自分一人で引き受け、その死刑宣告の後、傍聴席の奥さんに向かって「本望である」と言うシーンは泣けてきました。

こんな時代があって、こんな毅然とした人がいて今日があるのですね。

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