子どもの頃、1年に1回くらいの間隔で富山の薬売りのおじさんがわが家にやってきました。
現在のように医療が充実していなかったのかどこの家庭でも急な病気にそなえ、富山の薬が置いてありました。
風邪をひいたときやおなかが痛くなったときなどひとまずこの置き薬で様子をみるわけです。
おじさんはこのような柳行李をしょってやってきました。
この柳行李の何段目かにおまけの紙風船が入っていました。
この紙風船が嬉しかったものです。
おじさんは祖母や父とよもやま話をしながら、古い薬と新しい薬を入れ替えたり、使った薬のお金の計算をしたりしていました。
そして夕食を食べ泊まっていくのです。
何日も売りに歩くわけですから、お宿がいるわけです。
多分、気心のしれた家がその土地その土地に数件あったのでしょう。
泊まっていく家には、おみやげの紙風船も少し多めに置いていってくれたのか、いつまでもこの紙風船で遊んだ覚えがあります。
最近のテレビ番組で「田舎に泊まろう」といった番組を見るたびに、昔の薬売りのおじさんのことを思い出してしまいます。
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