2013年7月31日水曜日

【昔話】ててっぽっぽ 安寿と厨子王


夫が絶賛しているアプリで「パパ、読んで!おやすみ前のおとえほん」というのがあります。

そのアプリのお陰で昔の童話に触れる機会がありました。

私が子どもの頃、母は仕事で忙しく本を読んでもらった記憶はほとんどなく、祖母が私たちに昔話を聞かせてくれました。

祖母の話の中で、特に印象的な言葉がいくつかあります。

「ててっぽっぽ」と「安寿恋しや ほうやれほう、厨子王恋しや ほうやれほう」
です。

ててっぽっぽの話は、親の言うことを聞かない子どもの話でした。山へ行って来い言われれば川に行き、川に行って来いと言われれば山に行くような子どもの話です。親は自分たちが亡き後、川のそばにお墓を立てられたら、川の水かさが増した時に流される心配があるので、山に立ててほしいと考えました。
それで思いを巡らして子どもに川にお墓を立ててくれるように言いました。子どもはいつも親の言うことの反対ばかりの行動をしていたので、せめて最後くらいは言うことをきこうと川のそばにお墓を立てました。雨が降って水かさが増すと親が流されてしまうのではないかと「ててっぽっぽ」と泣いて心配するというお話でした。

祖母は悲しげに「ててっぽっぽ」を繰り返しました。

安寿恋しやのほうは「安寿と厨子王」の話で、わが子と生き別れになった母親が、「安寿恋しや ほうやれほう、厨子王恋しや ほうやれほう」とわが子を偲びながら悲しく唄うのです。

「ほうやれほう」も祖母は情感たっぷりに唄いました。

祖母はいろんな話をしてくれました。

「蜘蛛の糸」の話も何度も聞きました。祖母が語る地獄の様子はそれは恐ろしく、地獄に落ちるような事はしないでおこうと固く思いました。

地獄絵図のような物もみたような気がします。

母親が子どもに聞かせる絵本と祖母が子どもを導こうと語る話は微妙に違うのかもしれません。

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