トルコ旅行の参加メンバーは27人でした。
Kさんは一人で参加していました。
往きの飛行機は夫が窓際の席で私が真ん中の席、Kさんは通路側の席でした。
席に着いたとき、Kさんが「席を立たれるときは遠慮なく言って下さい」と私たちに向かって言いました。
その時は同じツアーの人だとは知らず、旅慣れた方は違うなと感心しました。
機内で席を立つときは通路側の人にも立ってもらわないと狭くて歩けません。
通路側の人が眠っている場合などは、お願いするのが心苦しくなります。
そういった心情をよく分かっているからこその発言だったと思います。
隣の席なので何とはなしにKさんの行動をみてしまいます。
Kさんはずっと映画をみていました。
12時間程飛行機に乗るので、私はガイドブックを見たり、うとうとしたりしていました。
イスタンブールに着き、ようやくツアーのメンバーだと知りました。
一人参加のKさんは、縁があるのか食事の時や見学の時、よく私たちの近くの席に座っていました。
人見知り傾向のある夫もKさんには日を重ねるごとに打ち解けよく話をするようになりました。
私も機内でのKさんの温かい一言が嬉しかったというと、Kさんは「奥さんはよく寝ておられましたね。」と笑いながら言いました。
Kさんがその存在を大きくアピールしたのは、途中で立ち寄った革製品の店でした。
ファッションショーの後、商品売り場に連れていかれたメンバーは、良質な商品だと思っても高価な革のコートやジャケットを気軽には買えません。
そんな時、Kさんが高価な革のジャケットを試着し、気に入ったらしくポンと買われたのでした。
店員さんやツアー客からもその決断力に大きな拍手が沸き起こりました。
大きな袋を抱えてKさんはとても嬉しそうでした。
イスタンブール最後の夜、ベリーダンスを見ながら夕食をとりました。
Kさんは、「最後だからご一緒させてもらおう。」と言いながら夫の隣の席に座りました。
そういう言い方がとてもKさんらしく、夫も嬉しそうでした。
いい出会いに感謝です。
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