岐阜大崖で息を潜めて生活をしていた主人公泉が、かつて取材を申し込みにきた週刊誌の記者鉄治との再会の様子は読んでいる私にも緊張感が伝わってきます。
お互いに偽名を使い、見知らぬ土地で身を潜めているという奇妙な連帯感が生まれつつあります。
この世の中で今の自分の状況を知っている唯一の存在です。
泉は犯罪に巻き込まれているわけではないのですが、鉄治のほうは警察沙汰になって逃げ回っているわけですから、鉄治と関わると泉の身にもよくないことが起こりそうな予感がします。
泉の夫の映画監督が警察に捜索願をだしているかもしれません。
そんな二人が再度会う約束をします。
ずっと隠し続けていたことを誰かに話すと心が軽くなるものらしく、泉は鉄治に自分のことをペラペラしゃべってしまうような気がしています。
気持ちがラクになり、いつしかお互いを必要な存在だと思い始めるといった展開になるのか今の段階では先が読めません。
人間関係が複雑に絡み合って、さらに重苦しい小説になっていきそうな気がします。
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