「風のガーデン」に出演されていた緒形拳さんは、穏和な表情で、丁寧な物の言い方がよく似合う顔をしておられました。
私の中での一番古い記憶の緒形拳さんは、1965年に放送されたNHK大河ドラマ「太閤記」の秀吉役でした。
その時の印象は、「サル」と呼ばれているこの役者さんは、本当にサルによく似ているなぁと思って観ていました。
子どもだった私には、味のある顔だとか、個性的な顔といった好意的な見方はできませんでした。
その後、テレビや映画で活躍され、顔つきも初めの印象とだんだん違ってきて、怖そうな顔だったり頑固そうな顔だったり、威厳に満ちた顔に変わってきました。
息子さんの緒形直人さんが登場したときも、あのいかついイメージの緒形拳さんの息子さんとは思えませんでした。
そんな緒形さんが、「風のガーデン」では全く別の顔を見せてくれました。
柔和で物腰柔らかい老先生の顔でした。
人の顔って生き方で変わってくるものなのですね。
自分の顔は毎日見ているので、年月の経過を肌の老化を通して感じずにはおれませんが、顔つきの変化はなかなか自分では気が付かないものです。
穏やかな顔つきになってきたのか、年だけ重ねて顔つきだけは未だ落ち着きがないのか、自分では分かりません。
願わくば緒形さんのように年とともに柔和な顔つきになっていたいものです。
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