義父からかつお節削り器とかつお節を買ってきて欲しいと頼まれました。
商店街に唯一かつお節専門店を開いている店にすでに電話で注文してあるとの事でした。
そこの店主はいかにも職人気質の人らしく、売る限りは正しくかつお節を削れるように伝授しなければならないと使命感を持った人だと義父から説明を受けていました。
時間にして5分から10分程度の教えを受けた後、購入してきてほしいとの依頼でした。
夫の実家ではほうれん草やおひたしには必ず削ったかつお節をかけていましたが、古くなったかつお節削り器ではあのふわふわした削りかつおというより粉状のものしか作れませんでした。
店主の話ではカンナがさびていることとカンナの刃が出過ぎていることが原因のようです。
真新しい削り器がレジ横の台の上に置かれいよいよ講習が始まりました。
店主は歌舞伎の世界で見かけた役者さんに似ています。
削り器を使う設置場所からはじまり、削り器の向きやカンナの刃の出し具合の説明へと進んでいきました。
刃を調節するときは少しずつ出し、ためし削りをするといった作業を20回位やってようやく調整完了なのだそうです。
この時点で店主と私の関係は師匠と見習い弟子のような感じになって、話を聞き漏らすまいと全神経を集中させ、頷いたり、返事をしたりしていました。
次はかつお節の削り方です。
かつお節には向きがあるそうで、向きを調べるのに「上と下のどちらの色が濃い?」「「右と左はどちらがカーブしている?」などと質問をされながら次の工程にすすんでいきます。
答えるときは本当に緊張しました。
店主が削り、続いて私が削ってみるといった具合に講習は進んでいきました。
最初は予想外の展開に動揺していた私ですが、終わった後には爽快感が残りました。
店主は、教えることはしっかり教えたから後は義父に伝達講習をするようにとにこやかに話してくれました。
いい勉強をさせてもらいました。
私もこのかつお節削り器が欲しくなりました。
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